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専門実践教育訓練給付金とリスキリング支援事業——AI講座で使えるのはどっち?

会社の号令で生成AIを学び始めたものの、「そもそも講座にお金を払う必要があるのか」「制度を使えば安くなるらしいが、自分に関係あるのか」がよくわからないまま検索している——という人は少なくありません。実は、AI講座の受講費用の一部が戻ってくる公的な制度は、専門実践教育訓練給付金(厚生労働省)とリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)の2つがあります。名前が似ているうえに対象者も申請窓口もまったく別の制度なので、この2つを混同したまま「自分には関係ない」と思い込んでいる人もいるはずです。この記事では2つの制度を書き分けたうえで、あなたがどちらを確認すべきかを整理します。

ℹ️ この記事でわかること

  • 専門実践教育訓練給付金(厚生労働省)とリスキリング支援事業(経済産業省)の違い
  • 自分がどちらの制度の対象になりうるか、確認すべきポイント
  • AI講座での実例(キカガク・ヒューマンアカデミー)

(本記事は2026年7月時点の公式情報にもとづいています。制度の要件は変更されることがあるため、申し込み前に必ず公式ページ・窓口でご確認ください)

まず結論:あなたが確認すべきはどっちか

2つの制度は、次の3つの軸で大まかに切り分けられます。

  • 雇用保険に加入している期間が一定以上あるか(在職中・離職中のどちらも対象になりえます)
  • 今の勤務先に在籍したまま、転職を視野に入れて動いているか
  • 会社を通じた研修として受けるのか、個人で申し込む講座として受けるのか

雇用保険の加入期間があり、離職者も含めて個人でハローワークに申請するなら、確認すべきは「専門実践教育訓練給付金」です。今の会社に在籍したまま転職を見据え、国が採択した民間の支援事業者を経由して受講するなら、確認すべきは「リスキリング支援事業」になります。

💡 どちらも最終判断は公式窓口で

ここから先で紹介する要件・支給率・上限額は、いずれも2026年7月時点で公式ページ・公式窓口が公表している内容です。ただし、対象になるかどうかの最終判断は、講座ごと・個人の状況ごとに異なります。「たぶん対象だろう」で申し込まず、公式ページと窓口の両方で確認してから手続きしてください。

制度1:専門実践教育訓練給付金(厚生労働省)とは

専門実践教育訓練給付金は、雇用保険の加入者(在職中・離職中を含む)が対象の公的給付金です。個人がハローワークに申請するのが特徴で、「戻ってくる額」の考え方がやや複雑なので、順を追って説明します。

対象者・要件のイメージ

  • 雇用保険の加入期間:初めて受給する場合は2年以上、過去に受給したことがある場合(2回目以降)は3年以上(受講開始日時点)
  • 離職している場合:離職日の翌日から受講開始日までが1年以内
  • 在職中・離職中のどちらでも対象になりえます

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」・ハローワークインターネットサービス(2026年7月時点)

上限額・支給の仕組み(戻ってくる額)

支給率は「受講しているだけ」より、「修了して就職」「就職後に賃金が上がった」という結果が伴うほど段階的に上がる仕組みです。

50% 受講中(年間上限40万円・半年ごとに支給) 出典: 厚生労働省 2026年7月時点
70% 修了+1年以内に就職(年間上限56万円) 出典: 厚生労働省 2026年7月時点
80% さらに賃金5%以上上昇(年間上限64万円) 出典: 厚生労働省 2026年7月時点
  • 受講中:受講費用の50%が支給されます(年間上限40万円・6か月ごとに支給)
  • 修了後1年以内に雇用保険の被保険者として就職:追加で支給され、合計70%になります(年間上限56万円の差額分)
  • さらに、修了後の賃金が受講開始前より5%以上上昇:合計80%まで上がります(年間上限64万円の差額分)。ただしこの80%の枠は令和6年(2024年)10月以降に開始した講座が対象です

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」(2026年7月時点)

対象講座かどうかの確認方法

自分が受けたい講座がこの制度の対象になっているかは、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で講座名・事業者名から検索できます。契約前に必ずここで確認してください。

👉 教育訓練講座検索システム(厚生労働省)

AI講座での実例:キカガク

生成AI・機械学習を扱う講座会社のキカガクは、長期コースが専門実践教育訓練給付金の対象講座であることを公式に明示しています。修了し、期限内に就職などの要件を満たせば合計70%が戻ってくる仕組みで、申請は受講者本人がハローワークで行います(出典:キカガク公式FAQ・給付案内ページ、確認日2026年7月8日)。給付対象かどうかは講座・コースによって変わるため、この実例をもって同社の他コースや他社の講座すべてが対象になるわけではありません。契約前に、その講座固有のページで確認してください。

制度2:リスキリング支援事業(経済産業省)とは

リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、在職中の人がキャリア相談・リスキリング講座の受講・転職支援を一体で受けられるよう設計された制度です。専門実践教育訓練給付金と違い、個人が直接ハローワークへ申請する制度ではありません。

対象者・仕組みのイメージ

  • 対象者は在職者。この制度は転職を前提とした支援スキームとして設計されています
  • 個人は、経済産業省が採択した民間の補助事業者を経由して利用します(会社を通じた研修ではなく、支援事業者が間に入る形です)
  • 補助率は、講座提供価格の1/2(50%)を定額補助し、支援を受けた人が実際に転職して1年間継続して就業したことが確認できた場合に、さらに1/5(20%)を追加補助します。合わせて**最大70%**です

出典:経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公募ページ(2026年7月時点)

⚠️ 個人あたりの上限額は要確認

補助率(最大70%)は経済産業省の公式ページで確認できますが、個人あたりの補助上限額(円)は、公募の回次によって変わりうるため今回の一次確認では確定できませんでした。講座を提供する事業者側の公式案内では「上限56万円」とする例がありますが、これは事業者の案内であり制度そのものの確定額ではありません。申し込みを検討している講座の公式ページ、または公募要領で最新の上限額を確認してください(2026年7月時点)。

AI講座での実例:ヒューマンアカデミー

ヒューマンアカデミーは、生成AI・ノーコードを扱う講座がリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の対象であることを公式に明示しています。対象は在職者で、キャリア相談への参加・転職またはキャリアアップの意思があることが前提です。受講費用の最大70%(修了時に50%、転職後1年間の継続就業で追加20%)が補助される仕組みです(出典:ヒューマンアカデミー公式ページ、確認日2026年7月8日)。こちらも対象講座はコースによって変わるため、契約前にそのコース固有のページで確認してください。

窓口・申請の流れ

専門実践教育訓練給付金とは異なり、個人が直接ハローワークに申請する制度ではありません。経済産業省に採択された民間の補助事業者(講座を提供する事業者、または事業を運営する事務局)を経由して手続きを進めます。事業全体の事務局は株式会社野村総合研究所が担っています。申込先・必要書類は事業者ごとに案内されるため、検討している講座の公式ページで確認してください。

👉 経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」公募ページ

2制度の違い一覧表

比較項目専門実践教育訓練給付金リスキリング支援事業
管轄厚生労働省経済産業省
対象者雇用保険加入者(在職・離職とも対象になりうる)在職者(転職を前提とした支援)
支給率・上限額50%〜80%(年間上限40万〜64万円。80%枠は令和6年10月以降講座)最大70%(受講費用の1/2+転職後1年継続で追加1/5)。個人あたりの円上限は公募要領で要確認(事業者公式案内では上限56万円の例)
対象講座の確認方法教育訓練講座検索システム(厚労省)で検索講座を提供する事業者・事務局の公式案内で確認
申請窓口本人が住所地を管轄するハローワークへ申請採択された民間の補助事業者を経由(個人が直接ハローワークへ申請するのではない)

上記は2026年7月時点で厚生労働省・経済産業省の公式ページに掲載されている情報をもとにしています。制度の要件・上限額は改定される可能性があるため、最新情報は各制度の公式ページ・窓口でご確認ください。

給付金がある場合とない場合で「実質負担」はどう変わるか

給付金は「講座が安くなる割引」ではなく、先に受講費用を支払い、条件を満たした分だけ後から一部が戻ってくる仕組みです。たとえば、総額数十万円の講座であっても、対象講座であり要件を満たせば、支払った金額の一部が後日戻ってくることになります。戻ってくる額は制度・支給率・上限額によって変わるため、この記事では具体的な試算はしません。「対象になるかどうか」「戻ってくる割合の上限はどこまでか」を自分の状況にあてはめて公式ページで確認するのが、実質負担を正しく把握する一番の近道です。

これまで「給付金?聞いたことがない」という状態だったとしても、珍しいことではありません。専門実践教育訓練給付金は認知度も利用率も低いままの制度だと言われており、知らなかったのはあなただけではありません。知ってしまえば、あとは自分が対象かどうかを確認するだけです。

まとめ:まずは検索システムで自分の対象講座を確認しましょう

専門実践教育訓練給付金(厚生労働省)は雇用保険の加入者が個人でハローワークに申請する制度、リスキリング支援事業(経済産業省)は在職者が民間の補助事業者を経由して転職を前提に利用する制度です。管轄も窓口も支給の仕組みも異なるため、まずは自分がどちらの対象条件に近いかを、この記事の比較表で確認してください。

気になる講座が対象かどうかは、教育訓練講座検索システムと、講座・制度の公式ページの両方で確認することをおすすめします。

👉 教育訓練講座検索システム(厚生労働省)で確認する

講座そのものを選ぶ基準は、AI講座ナビの選別基準ページでまとめています。給付金の対象かどうかだけで選ばず、事業者情報・受講総額・返金条件なども合わせて確認してください。

👉 AI講座ナビの選別基準はこちら

キカガクやヒューマンアカデミーの講座内容・料金・口コミの詳細レビュー、目的別(転職軸など)の比較記事は、順次追加していく予定です。


本記事は制度の解説であり、広告を含みません。制度の要件・支給率・上限額は変更されることがあります。掲載している情報は2026年7月時点のものであり、対象になるかどうかの最終判断は、必ず公式ページ・公式窓口でご確認ください。給付金の利用は受講費用の一部が戻ってくる仕組みであり、収益や就職・転職を保証するものではありません。